マイナンバー制度が来年から導入されるそうです。
ちょっとでもデータベースを触ったことがあるなら、個々にIDを振ることは当たり前のことです。
でも、人に番号を振るのはいろんな問題があるとずっと思ってるので、前回、話に上がったときは立ち消えて安心したのですが。。
今回の内容は、氏名、住所、生年月日、所得、税金、年金などの個人情報を、番号で一元管理する「共通番号制度」とのこと。前と変わってはいません。
参照したサイトはこちら
2016年1月に導入決定した、マイナンバー制度に関する情報まとめ!国民総背番号制の導入におけるメリットとデメリットとは?
ここで書かれているメリット
「納税や年金、医療などに関する手続きが簡素化され、行政サービスの向上する。
たとえば児童手当の申請について毎日新聞は、「現在は所得証明書や健康保険証のコピーをそろえて市町村の担当部署に申し込むが、制度導入後は、窓口で個人番号カードを提示するだけでよくなる。役所が所得など必要な情報を個人番号で簡単に照会できるためだ」(5/9付)と伝えています。 」
これは、大したメリットではないですよね。
その他のメリットで書いてある部分
1 確定申告の時、控除証明書の添付が不要になる
(国民年金保険料や個人型確定拠出年金の控除証明書などが不要に?)。
2 年金記録問題などが発生しなくなる(年金記録が他の記録と紐付けされるため)。
3 生活保護の不正受給が少なくなる(生活保護の申請にマイナンバー番号の登録が必須になるため)。
4 所得の過少申告が難しくなるため、個人事業主などの脱税を防ぐことが出来る。
裏返して考えてみます。
1 個人で支払った内容が、税務署で掌握済み
2 年金保険料その他の支払い情報も掌握済み
3 所得があるのに生活保護を受けるような人は、給与を払う側が、払った先の番号を報告するので生活保護は打ち切り
4 3と同じく、顧客が支払先の番号を報告するので、税務署で個人事業主の収入は掌握済み
つまり、全部筒抜けになって悪さができなくなるということです(違う?)
一つ言えるのは、私たちに大してメリットのない、管理する側の都合で進める施策を、国民の税金でやるっていうことです。
これを進めるなら、簡素化されるであろう、「公務員の数をどれだけ減らします。それに伴い、市県民税、国民健康保険税は現在よりも○○パーセント減らします」とか、セットで提案しないと駄目だろう!と激しく怒りをおぼえるのです。
ただでさえ、白色申告事業主に帳簿の記帳を義務付けたり、ちょっと支払いが遅れたら国民健康保険証を渡さなかったり、3ヶ月だけ有効の色の違う保険証を渋々発行したりと、個人事業主なんかホント、イジメられまくりですからね。
・・さて、先の参照記事のデメリットとしては、コスト、情報漏えいの二つを上げてますが、それは確かにそうです。
でもそんなデメリットなんて読みが甘いと思うのです。
管理をする側が、その情報どんなふうに使えるようになるか考えると・・
マイナンバーと自動車登録情報ナンバープレートを紐付け
ナンバープレートと道路上のナンバー読取装置と紐付け
→すべての行動パターンが掌握される
いま財務省が考えている還付金用の買い物時マイナンバーカード読み取りをすると
→購買パターン、支出状況などが掌握される
金融機関情報とリンクすると
→送金、振込みなど金の流れが掌握される。差し押さえも簡単
医療機関情報とリンクすると
→傷病暦、薬などの情報が掌握される
家族構成、収入支出、行動など、ほぼ個人情報の全てが紐付けされる形で、完全に管理されることもシステム上可能になります。
マイナンバーカードがどのようなものか分かりませんが、ICチップなど組み込んだものであれば、還付金用に持ち運ぶカードを、駅の改札や、道の辻々に設置した読取装置で読み取って、よりつぶさに行動パターンを把握することも可能ですし、その近隣の監視カメラと連動させれば、特定の人物の撮影もピンポイントで可能になります。
そして集めた膨大なビッグデータは、購買暦やサイト遍歴を集めるアマゾンやGoogleなどは耳垢程度に思われるくらい大きな財産となり、パターン化され、管理したい側は受け入れやすい情報を個別に流すことで世論を誘導したり、目に見えないところで売られたりするようになるかもしれません。
完璧な管理国家の出来上がりです。
・・映画にできそうですね。
始末が悪いのは、それは右翼も左翼も喜ぶ形態であること。
中道をうたう政党はそこらへんわかってるのかな。